
ネットで調べても色々な意見があって結局どっちがいいのか分からない…
このような悩みにお応えします。
この記事の内容
・ギターを弾かない時は弦を緩める?緩めない?
・ギターメーカーの意見は?
・結局ギターの弦は緩める?緩めない?
この記事を書いている僕は大学からアコギを始めて現在3年目です。
今回はそんな僕がギターを弾かない時は弦を緩めるべきなのかということについて解説します。
ギターを弾かない時は弦を緩める?緩めない?
「ギターを弾かない時は弦を緩めるべきなのか、緩めないべきなのか…」
ギターを所有した事がある人なら、1度は疑問に感じた事があると思います。
特にギター初心者の方なら、「正しい方法で保管して、ギターを大切にしたい」という思いが強いのではないでしょうか。
そこで今回はギターを弾かない時に弦を緩めるべきか否かについて、楽器メーカーの意見も参照しつつ考えていきたいと思います。
まず、「弦を緩める派」と「弦を緩めない派」の意見を確認しておきましょう。
弦を緩める派
・弦を張ってチューニングされた状態では、ネックに常に負荷がかかってしまう
・ネックに負荷がかかる事で、ネックがそる原因になる
弦を緩めない派
・ギターは弦を張った状態で使用することを前提に作られている
・弾く度にネックにかかる張力が変化することの方がネックに負担がかかる
・何度も緩めたり締めたりを繰り返すと弦が切れやすくなる
改めて確認すると、どちらの意見も正しいように思えて分からなくなりますよね。
僕も初心者の頃はどっちがいいのか迷って、しばらくは練習の度に弦を1回転ほど緩めていましたが、途中で弦が切れやすくなるということに気づき、それ以降は緩めずに保管するようになりました。
ギターメーカーの意見は?
それでは、実際にギターを製造しているメーカーの意見はどうなのでしょうか。
今回は有名ギターブランドのうち5つのメーカーの意見を参照したいと思います。
また、メーカーごとに言及している場面が異なるので場面別にまとめたいと思います。
普段の練習の後
ここでは、普段練習した後に弦を緩めるか緩めないかについて、Taylorとタカミネの意見を紹介します。
普段の練習の後にどうすれば良いのかという事が、一番気になるところではないでしょうか。
テイラーギターのネックは弦をチューニングした状態でベストとなるように設計されています。
日本国内ではギターを弾かない際に都度弦を緩める習慣が多く見られますが、Taylor Guitarsでは、弾き終わるたびに弦を緩めてしまうとそのたびにネックに掛かる負荷が変化し、不安定なネックの状態が続くことになってしまい、場合によってはネックの捻じれ等を誘発する原因の一つともなると考えています。
そのため、Taylor Guitarsでは、弦を交換する時以外はチューニングを緩めずに保管・使用頂く事を前提としております。チューニングを緩めない場合、それによりブリッジ付近のボディトップが持ちあがってしまうと考えるユーザー様もいらっしゃいますが、このトラブルの多くの場合は、ブリッジ部分に掛かるテンションが直接的な原因ではなく、保管・使用環境の湿度・温度管理の不備が原因と考えられます。
よく保管時に、弦を緩めるべきか、そのままが良いのかとのお問い合わせをいただきます。
また、ギター専門誌等での情報も様々で、判断に迷われる方も多いのではないでしょうか。
残念ながら、個々のギターの個性とお使いになる環境の組み合わせで、答えはさまざまです。同一のギターでも、寒冷地にあるか、温・湿度の高い場所にあるかにより、木部の動きには違いが現れます。前者ではネックは比較的曲がりにくいですが表甲などは割れやすくなり、後者ではネックや表甲など張力にさらされる部分は曲がり易くなります。
まずは、基本的に弦を緩めない状態で2週間ほどお試しいただき、その間に弾きにくくなっていないかを判断し、変化が感じられなければ更にそのままにします。もしこの時点で弦高が上がって弾きにくくなったように感じられるようでしたら、保管時には全ての弦を半音〜1音分下げてみましょう。
ギターは大部分が木製であり、完成後も環境の変化に反応します。コンディションに関心をもっていただくことで、トラブルを未然に回避したいものです。
長期間保管する時
次に、ギターをしばらく弾かずに長期間保管する時について、Gibsonとヤマハ、タカミネの意見を紹介します。
長期の保管の場合は、弦をやや緩めて保管してください。弦を張らない状態での保管はお勧めしません。ギターをお使いにならないときは、専用ハードケースもしくはソフトケースに保管しておくことをお勧めします。不慮の事故、気候や使用環境の急激な変化によるギター損傷のリスクを低減します。
保管するなどで、1ヶ月以上ギターを演奏されない場合、糸巻きのつまみを 1~2回転程度で良いので、緩めて保管されることをおすすめします。
なお、弦を緩めるのは、ネックや表板へのストレスをやわらげ、ネックの反りや表板の膨らみを防ぐためです。
長期間ご使用にならない場合は、念のため全弦に渡って半音〜1音程度緩めて保管されると良いでしょう。この場合も、トラブルを未然に防ぐため、時折ギターを取り出し状態だけでも確認していただくことをお勧めします。
また、特にスティール弦では、ネックにより強い張力がかかるミディアムゲージ、ヘビーゲージをお使いの場合ネックや表甲のブリッジ周辺への負担も大きくなりますので、保管時に弦を緩める対策やトラスロッドの締め込み等が必要となる場合もあります。
運搬する時
最後に、運搬する時について、ヤイリギターの意見を紹介します。
調弦時のライトゲージの張力はおよそ75kgにもなります。このため、転倒・落下などの衝撃を受けるとネックにヒビが入ったり、折れてしまう可能性もあります。そのような事故を予防するため運搬時はツマミを1~2周まわして弦を緩めましょう。また、ギターを倒す可能性のある不安定な保管方法は避けてください。
結局ギターの弦は緩める?緩めない?
さて、楽器メーカーの意見の意見を紹介しましたが、以上の意見をまとめて僕なりの結論を出そうと思います。
まず、基本的には弦を緩めません。
普段の練習の後は緩めずにギタースタンドに掛けましょう。
では、長期間使用しない時や運搬する時はどうすれば良いかというと、弦を少し緩めます。
具体的には1ヶ月以上練習する予定がない場合や、自動車や電車などで運搬する時には、弦を1〜2回転ほど緩めてハードケースにしまって保管しましょう。
また、弦交換する時以外は弦を外した状態にはしないようにしましょう。
長期間保管する場合でも弦は外さず、少し緩めた状態がベストだと思います。
ギターを管理する時は湿度対策の方が重要
今回、様々な楽器メーカーのメンテナンスに関するページを調べてみて、1つ感じた事があります。
それは、弦を緩めるか否かよりも、湿度の管理の方がギターにとって重要であるということです。
ギターを保管するのに最適な湿度はおよそ40 ~ 60%とされているので、梅雨の時期やエアコンや暖房を使用する際には注意しましょう。
湿度を適切に保つためのグッズもあるので、必要に応じて使用しましょう。
ギターケースで保管している方はこちら
ギタースタンドに掛けている方はこちら
どちらもケースに入れたり、ギターに取り付けるだけで勝手に湿度を調整してくれる便利なグッズなので、是非チェックしてみてください。
まとめ:ギターを弾かない時は基本的には弦を緩めなくていい
最後にこの記事の内容をまとめます。
・普段の練習では弦を緩めなくていい
・長期保管や運搬時は少し弦を緩める
・弦交換時以外は弦を外さない
・ギター保護には湿度管理が大切
こんな感じです。
保管方法の違いによる楽器への影響は、何年も使用していないと分からないほどのものかもしれません。
しかし、なるべく正しい方法で管理して、いつまでも大切に楽器を使用したいですね。
今回は以上です。